Turning Point
2001年6月~10月の出来事
今日は,近所のタイヤ屋にタイヤを注文してきた.
14インチのRONALを手に入れたので,15インチから純正サイズに戻すためだ.
銘柄はお店の人と相談してMICHELINのENERGY XT1(TR)にした.
サイズを戻すのは,ここにきてようやくAlfettaに対する私の考え方が定まってきたからで,これがその方向にAlfettaを仕上げていく最初の第一歩だ.
(2012-07-22 加筆訂正)
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195-60/R15のタイヤは,自分のクルマに対するスタンスを再認識させる,いいきっかけだったのかもしれない.
純正からワンサイズ上げた今のタイヤは,周りの仲間が草レースやチューニングで盛り上がっていたとき,自分もミニサーキットを走るようになって選んだものだ.
タイヤの銘柄は,M5やネオバといったハイグリップタイヤではなく,PIRELLIのP5000DRAGOだ.
いくらサーキットを走るとはいえ,9割5分は街を走るので,おとなしめの銘柄にした.
タイヤを交換して一番初めに驚いたのは,コーナーリングスピードが上がったことだった.
実際,成田モーターランドでも2秒もタイムがあがった.これは嬉しかった.
しばらくは,スピードが出るようになったタイヤで楽しんでいたのだけれど,自分の体が疲れている時に街中を走っていて,ふと気がついた.
ゆっくり走ろうと思っても,タイヤが地面に吸い付き,速い速度でコーナーを曲がれてしまう.そして,道路からの突き上げも,ハンドルの重さも体に負担がかかる.
「自分が疲れているんだったら,ゆっくり走ればいいじゃないか.」
確かにそうなのだけれど,なんだかゆっくり走らせてくれない感じがしたのだ.
これではいけない.いつか事故を起こす.
最初はクルマを乗り換えようと思った.
丁度ボディの錆が目立ってきた頃だし,もう少しゆっくり走れるクルマがいいなぁなんて思っていた.
(2012-07-22 加筆訂正)
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ボディのリペアについて毎年流行病のように悩む時期があって,あれこれ考えていると,いっそ乗り換えた方がいいんじゃないか?となることがある.
どうしよう,今年こそ全塗装するか?部分補修で切り抜けるか?腐るまで乗るか?いっそのこと乗り換えるか?
今年もそんな季節がきた.今年は乗り換えにかなり傾いた症状だった.
候補に上がったのはGTV6.かなり本気で重症だった.
GTV6でゆっくり走れるのか?という話しもあるが,GTV6はAlfettaGTを単に高性能にしたものではなく,より近代的に,ラグジュアリーにしたものだと思っている.
なので,少し余裕をもって走れるかな?と.
いざとなれば,AlfettaGT以上の動力性能で速く走れることもできるし.
そんなことを思っているうちに,都内のあるショップで出物を見つけた.シルバーでツェンダーフルエアロのGTV6.でも,結局購入の決断を下す直前に売れてしまった.
その後も何台かのGTV6を見るのだが,条件に合ったものがなかなか見つからなかった.
そのうちだんだん訳がわからなくなってきて,古くはGiulietta Spider(750)から最新のGTVまで手を広げて探し出すようになった.
(2012-07-22 加筆訂正)
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気がつけば,「ゆっくり走りたい」がどこかに追いやられて,単に乗り換えることが目的になってしまっていた.
まぁ,でも「よし買うぞ」と意気込んで色々と調べてみるのは意外と楽しかった.
久々にクルマのスペックや雑誌の記事に目を通してみると,Alfettaに乗り出した頃よりも,クルマに対する理解が深まっていることも分かった.
そんなことを一週間ぐらい続けてみると,だんだんと冷静に考えられるようになってきた.
クルマ仲間の掲示板でも話題にあがって,色んな人から意見を聞くことができた.
そこでの意見は感傷的にならず冷静な意見が多く,非常に参考になった.
そしてその人達に自分が今思っていることを説明しているうちに,考えがまとまってきた.
多分,「疲れるクルマ」なのだ.今のAlfettaは.それに運転している自分も丁度色々あって疲れていたから余計そうだったのだ.
ノンビリ走りたいけれど,速く走れと急かされるクルマの雰囲気と,アタマを悩ませるボディの痛み.
では,疲れない状態とはなんなのだろう?
ゆっくり走れるクルマ?
ピカピカにレストアされたクルマ?
多分そうじゃないんだよな.
(2012-07-22 加筆訂正)
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色々と考えてみたけれど,自分にとって疲れない状態とは,「言い訳不要」なクルマなんだと思った.
ゆっくり走る言い訳が不要で,ゆっくり走ることを我慢しなくていいいクルマ.
痛みのはげしいボディを見つめて自分に言い訳しない,我慢しない.
ボディはエレガントな2ドアクーペ.これは譲れない.
それは何だろう?と思ったら,それは「Gran Turismo」.ジーティーだ.
自分のクルマにも付いているじゃないか.
(2012-07-22 加筆訂正)
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自分にとってクルマの到達点はGTカーだ.
長距離を速く快適に"楽しく"移動できること.
そして,エレガントなスタイル.
いつもそう思っていた「コートやジャケットを羽織る」感覚.
コートとジャケットじゃ競技場は走らない.
かといって,オートクチュールを着たいわけではない.
自分のクルマには"GT"'だ.そのように仕上がるはずだ.
(2012-07-22 加筆訂正)
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現状では「疲れるクルマ」なのだからどこかしら手を入れていかなければならない.
ポイントは二つ.
「外観のヤレ」と「速過ぎないスピード」だ.
スピードはとりあえずタイヤ交換することにしている.これでかなりいい方向に持っていける自信はある.
そして外観のヤレ.
見かけボロでもココロは錦.
気力体力,そして時間に余裕があるときならばそれでもいいのだけど,疲れているときにコレでは参ってしまう.
ということで板金だ.だけど板金に出して,気持ちが離れたらどうしよう?
ピカピカになったクルマを,道具として愛着がもてるのか?
お願いする板金屋も決まっていなかった.
何を基準に選んでよいかもよくまとまっていなかったので,とりあえず仕上がり具合と工賃,期間について情報を集める.
しかし,それだけでは「この店はダメだ」という決断は下せても,この店にお願いしようという決め手が中々つかめないのだ.
結局は,お店の人とお話ししてみないとだめだということだ.
そうなると,店との距離,打合せの回数等が問題になってくる.
私はクルマのために何百キロも移動するってのはできないので,近場でこちらの意図をさっと汲み取って打ち合わせは最小限にというお店が候補に出てくる.
なんだ.となるとなじみの店が一番か.
ということで,いつもお世話になっているセンチュリーオートサービスへ相談しに行くことにした.
(2012-07-22 加筆訂正)
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センチュリーオートサービスを訪れ,自分と歳の近い専務と,客の少なくなったところを見計らって切り出してみる.
「そろそろボディをやろうと思っているんだけど」
どうしたいか,どうしたら良いのか?迷っていることを話してみた.
すると専務はこう聞いてきた.
「Mさんの1750GTV,どう思いますか?」
Mさんというのは,とても丁寧にクルマを乗られる方で,今は手放されてしまったが,その方が乗っていた深緑の1750GTVは,仲間内でも評判のクルマだった.
「あんな感じに仕上げてますか.」
この一言で,頭の中が一気にクリアになった.
そうだ,あんな感じだ.人が乗ってきた雰囲気.
結局いつもお世話になっているお店に答えがあった.
これが10月はじめの出来事.
(2012-07-22 加筆訂正)
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方向性は決まった.
あとはそれに向かってクルマを仕上げていこう.
21世紀の最初の年.夏から秋にかけてのひと騒動.
散々悩んだ挙句,ちょっとした閃きで頭に浮かんだGTカーというキーワード.
これが私にとって正解だったのかどうか.でも,それが分かるのは,それほど時間を要しないと思っている.
多分,トーキョーの過酷な夏を潜り抜け,来年の今時分には答えが出ているはずだ.
(2012-07-22 加筆訂正)
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TurningPointは,2001年6月から10月までのことを時系列を無視して書いた.
これを書こうと思ったきっかけは,悩みすぎて仕事も手に付かなくなった9月頃.板金塗装の相談をさせてもらおうと,Alfetta仲間のGさんを夕飯に誘ったときのこと.
メールであれこれGさんに説明しているうちに自分の考えが整理されてきて,数年後,今回のことを忘れないためにも書き留めておこうと思った.
webに公開すれば,稚拙な文章しか書けない自分でも,少しは整理して書けるかな?と思ったからだ.(けど,ダメだった)
GTカー.これはホントに発見だった.
自分では,GTカーが自分の好みだとは思っていなかった.
どちらかといえば,ライトウェイトスポーツカーが好きだと思っていた.
(ひょっとしたら,自分の嗜好が変わってきたのかもしれないが)
そして,出不精な私だが,飛行機でも電車ででもいい.これを機会にもっと"旅"に出なければいけないと思った.
Turismoを理解するためにも.
板金の店選びは苦労したけれど,色々と勉強になった.
私は幸いにして懇意にしてもらっているお店があったから「収まるべくして収まった」と言う感じだが,そういったお店との付き合いがない人は,じっくりとお店と話し合う必要があると思う.
TurningPointを書き出して,気が付いてみれば,Ennuiのページが一番アクセスを稼いでいるページになっていた.
それから,感想もいくつか頂いた.
想像はしていたけれど,やっぱりみんな,同じようなところで悩むんだなぁと思った.もちろん,目指すべきところは違うだろうけど.
自分自身も,実はTurningPointを書いているうちに「アレ,どっかで同じような状況を...」と思ったら,Cさんのエッセイだったり.
最後に.愚痴相手やら相談相手やら,感想メールやらで.
掲示板のみなさん,Wさん,専務,どうもありがとうございました.
12月時点での状況:
タイヤはDiarioで報告済み.
14インチに戻したのは正解だった.
板金の方だが,結局,センチュリーさんを通してお願いすることにした.
予算は80万円ぐらい.
イギリスから外装パーツが届くのを待って入庫の予定. (2012-07-22 加筆訂正)
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