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Engine OH 1997

自走不能となった初めてのトラブル.



1997-07-25 ブロー前夜

明日は琵琶湖で開催される鳥人間コンテストへ.現役チームの応援と他チームの偵察を兼ねて観戦しに行く.
早朝から長距離を走るので,今日は休暇を取ってゆっくり整備.
クーラーのガスを入れて,オイルを交換して.
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-07-26 (1) ことのはじまり

早朝,3:00に琵琶湖に向けて柏崎を出発.
いつも通り北陸道は順調だ.100km/h巡航.
富山県に入ったところで,少し交通量が増えてきた.
前をゆっくり走るマジェスタを抜くと,何故かぴったり追いかけてくる.
あおられているのかな?と思い,少し速度を上げるとやっぱりついてくる.
タコメーターは5,000rpm.小杉ICを過ぎたところでコチラのエンジンが急激にパワーダウン.
エンジンのばらつきも少し気になる.あおられていることだし,高岡PAに入って様子を見ることにする.
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-07-26 (2) PAでボンネットを開ける

ゆっくり速度を落としながら高岡PAへ.
エンジンのばらつき具合から,どうも1気筒死んでいるようだ. 取り敢えず,プラグコードを1本ずつ抜いて,どれが死んでいるか調べてみる.
2番のプラグコードを抜いても回転数が変わらないので,エンジンを止めてプラグを外してみると,電極に何か白いカスが付着していて,まったく役目を果たしていないようだ.他の3気筒はいい色に焼けているが,一応全部のプラグを替えてみる.
エンジン始動.しかし2番は死んだまま.もう一度エンジンを停止してデスビキャップを開けて中を見るが良く分からない.取り敢えず,キャップの電極とローターを磨いてもとに戻す.
ここで再びエンジンを掛けようとするが,かかる気配がまったくなくなってしまった.
お手上げ状態なので,JAFに救援を頼む.JAFの方は到着するなりデスビを開け,ポイントを調整したり,各電極を磨いたりしてくれるのだが,まったくかかる気配がない.
しばらくして,デスビとコイルの間のアースが抜けていただけだったことが判明.どうもキャップを開けた時に外れたようだ.コネクターが抜けやすくなっていたので,少しかしめて差し込む. エンジンかかる.が,2番は死んだまま.
JAFの方から,富山にアレーゼがあることを教えてもらい,何とかそこまで自走してみることにする.
JAFのサービスマンは,車の基本を良く知っているので(当たり前ではあるが)古い外車でも嫌がらずに見てくれる.しかも作業が速い.やはり基本を押さえることは重要だと再認識.
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-07-26 (3) アレーゼ富山へ

ばらつくエンジンで我慢のドライブ.栃波ICでUターン,小杉ICへ向かう.クーラーをつけながら走行していたのだが,水温が異常に上がってきたのでクーラーをカット.嫌な予感.
小杉IC到着.料金所でエンスト.どうも3気筒どころか,2気筒になってきたようだ.
開店前のアレーゼに到着する.駐車場に車を置いて,お店の人を待っていると中年のメカの方がやってきた.事情を説明すると,すぐに診てくれるとのこと.
車の脇で少し作業を覗かせてもらう.ものすごく慣れた手つきで各部を診断していく.うーん,今日はプロの仕事に感心する日だ.安心してショールームの中でジュースをごちそうになる.
1時間ぐらいでそのメカの方がやってくる.「最悪.良くてバルブ,悪くてピストンだねぇ」げげげ.そして,プラグに付いた白いカスは溶けたアルミだと説明を受ける.
目の前でエンジンの圧縮を測ってくれる.2番と4番がゼロ.しかも,クランキングするだけで,プラグホールからガスが吹き出す.メカの方「柏崎まで自走は無理だよ,陸送の手配してあげるから」
と,いうことで,陸送の手配をお願いした.センチュリーオートサービスに電話して事情を説明.アレーゼ富山から業販という形で手続きしていただく.料金が業販価格になるそうだ.依頼先は日産陸送.
Alfettaから荷物を出し,受付の女性にJR呉羽駅まで送って頂く.
感謝感激.
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-08-02 ヘッド開ける

センチュリーオートサービスに陸送の件で電話を入れると社長さんから「週末にお客さん達がエンジンバラバラにしてくれるらしいよ」と.
え?お客さん達って??
慌てて金曜日の夜に実家へ帰り,土曜日の朝からセンチュリーオートサービスにに顔を出す.
11:00頃,日産陸送のキャリアカー到着.
お店には,クルマの整備をしに来たお客さんが2名.そのうちAlfetta GTVと164に乗ってらっしゃるWさんはエンジンブローしたことを聞きつけてやってきたそうだ.

この先の方針を社長さん,お客さん達と相談し,取り敢えずヘッドを降ろすこととした.
まず,ボンネットを取外し,カムカバーを開けてバルブクリアランスを測る.
全部バラバラで,規定値以下.しかも,2番のインテーク側は,0.08mmしかなかった.(普通は0.45mmぐらい)

昼食をとったあと,いよいよヘッドを降ろす準備に取り掛かる.冷却水,エンジンオイルを抜いた後,マニホールド,補機類の取外し.Wさんと,お店の方に手伝ってもらう.
当然,こんな作業は初めてなのだが,お客さん方がテキパキと指示してくれるので大助かり.
ヘッドをおさえるスタッドボルトのナットを全部外し,いよいよヘッドの吊り上げ.車の上に乗っかって,両手で持ち上げるのだが,どうも,途中で引っかかってしまう.
中が気になって,ついつい横からピストンの様子をうかがおうとするのだが,手伝っていただいている皆さんから「まだ覗いちゃだめだよ」といわれる.
社長さんも中から出てきて,4人でふんばり,何とか外す.

カーボンだらけの燃焼室とピストンヘッド.そして,4番排気バルブに半月型の溶けた跡.2番のピストンはピストン頂部に溶けた跡と,ピストンの円周に小さな穴2つ.そしてライナーに擦り傷.
キャブをヘッドから外し,今日の作業は終了.お店の中に入って,修理メニューの相談をする.
ヘッドは診断,修理,部品の手配全てをお店にお任せすることにした.
その間,ピストン,ライナーを個人輸入で部品を手配し,ヘッドのオーバーホールが終了するまでに自分で交換する.
その他交換するものとして,タイミングチェーン(アッパー),ファンベルト,デストリビューターの消耗品1式.

今回作業をして,工具は本当に大切だと思った.効率が全然違うのだ.ハーフムーンや,ソケットレンチ用のユニバーサルジョイントなどなど.取り敢えず組立てまでにはハーフムーンとシックネスゲージを買おうと思う.
手伝ってくれた方々には大感謝である.エンジンが壊れたのは痛かったけれど,これからの作業が楽しみだ.

バラバラ写真はこちら
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-08-03 ヘッド洗浄

今日はヘッドの掃除をする.
内燃機関屋に出せば磨かれて帰ってくるのだけれど,お願いする側の礼儀として,ある程度掃除しておいた方がいいとの社長さんのアドバイス.
洗浄には灯油を使うのだけど,世の中便利なものがあるもので,洗浄用のガンをでお借りした.
ガンにエアコンプレッサーからのエアホースを繋ぎ,ガンから出ているゴムホースを灯油タンクに入れる.スイッチは二つあり,片方はエアーのみ,片方は灯油を混合させて出せるようになっているのだ.
最初に軽く灯油を吹いて表面の汚れを落とし,次に汚れの酷いところをブラシで擦る.そして頑固なところはレクトラクリーンで洗浄.
ピカピカとはいかないけど,銀色のアルミ地が見えていい気分.
作業中,真っ白なジュリアクーペに乗ったお客さんがやってきて,エンジンルームを見せてもらうと,カムカバーがピカピカ.
思わず「自分も磨きたい」と.
ということで,カムカバーを片手にぶら下げて,新幹線で新潟へ帰る.
ピカピカにしてやろう.
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-08-12 部品発注

先週,International Auto Partsに頼んでいた見積もりがきた.
ピストン,シリンダーのセットと,ガスケット.ついでにオイルのドレンボルトやエレメントなどの小物も頼んだ.主なものの値段は,エレメントが$4.90,アッパータイミングチェーンが$33.50,ヘッドガスケットセットが$55.25,ピストンライナーセットが$365.00等々.で,送料が$157.45.
ファンベルトがバックオーダーということなので,それ以外をFAXで発注.まぁ,ベルトは国内で買っても大した値段はしないのでいいだろう.
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-08-16 部品到着

今朝,発注していた部品がInternational Auto Partsから届く.
8月に入ってUPSがストライキをやっているということだったので心配していたのだが,特に問題なく(しかも予定より全然速く)届いたので良かった.
早速荷物を開けて品物のチェック.
オイルエレメント5個,オイルドレンプラグ1個,ドレンプラグ・ワッシャー5枚,アッパー・タイミングチェーン1本,ヘッドガスケットセット1式,エキマニガスケット4枚,ピストンライナーセット4式.
OK.全部ある.
失敗したのは,エキマニのガスケット.ヘッドガスケットセットにも含まれていたのだ.まぁ,1枚$1.45だし,誰かが必要とする時に譲ればいいか.
総重量14.5kg.この重み.なんか嬉しい.ところでこの荷物,どうやって新潟からセンチュリーオートサービスまで運ぼう.カムカバーもあるのだが・・・
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-08-23 組立て1日目

今日から夏休み.お盆に一生懸命働いたおかげで,今日から9月1日まで休暇にできた.

早速,夏休み初日から組立てを開始する.
詳しいお客さん方がお店に来てればいいなぁと思っていたら,店に向かう途中で 「小さいアルファ」 さんのGTV6と,ヘッドを降ろした時にお世話になったWさんの車と鉢合わせ.
お店に着くと,Iさんも2000GTVでお店に来ていてたので技術支援は完璧だ.ヘッドもあがってきていたので,この休みで組みあがるかもしれない.
ただ,今日も30℃を越える猛暑の中の作業.とりあえずランチにして,腹ごしらえ.

お腹も膨らんだので,まずボンネットを外し,シリンダーヘッドにこびりついたガスケットをはがす.金属製のスクレーパーでアルミ製のシリンダーブロックを傷つけないように剥がしていくのだが,最初はおっかなびっくり.あらかた剥がれたら,オイルストーンでその面を磨いていく.
使い古しのエンジンオイルを付けながら,表面を磨くのだが,社長が「そこは愛情を込めるだけ漏れなくなるんだよ」と言うので,指先から愛情をほとばせながら磨く.(もちろん削りすぎはいけないが・・・)

表面が奇麗になったところで,今度はウォータージャケット内に貯まった水垢の掃除.ライナーを抜いてしまうとクランクケースにゴミが入ってしまので,掃除機で取れるだけ取っておく.あとは,スタッドボルトに付いた水垢もワイヤーブラシで取っておく.

水垢が取れたら,次はライナーの取外し.特殊工具で抜くのだが,まれに固着して抜けないケースがあるらしい.私の車はすんなり抜けた.ライナーを1気筒抜く毎にまた掃除機で吸引.
ライナーを抜いた状態
次にピストン.ピストンピンはピストンの両端のクリップで留めてあるだけなので,クリップを外せばスっと抜けるはずなのだ.
が,しかし,2番のピンを抜こうと思ったら,1/4ほど抜けたところでびくともしなくなったのだ.どうもピストンが変形しているらしい.
仕方がないので3番を先に取り外し,2番のピストン両脇にスペースを作る.通しボルトとワッシャー,ナットを使って簡単な工具を作り,バイス,ハンマーを使って何とか2番のピストンを外した.
無残な2番ピストン. ピストン偏摩耗,ピストンピンの固着,ヘッド頂部陥没.

ここまでの作業で17:00.社長曰く「うまくいったところで止めておく」というアドバイスで本日の作業終了
整備の極意なんだそうだ.要は勝ち逃げ.明日への活力を残しておくのだ.
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-08-24 組立て2日目

組立て2日目.(とかいいながら,昨日の作業内容は「分解」だったな・・・)
今日はお店に4名のお客さん兼技術指導員がいらしていた.
昨日から引き続きのIさんと,今日は164で登場のWさん.それから,いつも電子メールで相談に乗って頂いている1300JuniorのHさん,午後から登場の75MilanoのFさん.今日も心強い.

まずは昨日の残り,1番と4番のピストン外しから.2番の苦労もどこへやら,あっさり手で外れた.そもそも,こいつのピストンピンはフローティングであるので,手で抜き差しができないとおかしいのだが.
ここで一区切り,昼飯を食べてから,いよいよピストンの取り付け.
とりあえず大変そうな1と4番から.ピストンには取り付け方向があるので,気を付ける.頂部に矢印があるので,それをエキゾースト側にして取り付ける.
フローティングになっているピストンピンの動きを制限するのは左右のCリング.
片方はコンロッドに取り付ける前にはめられるので簡単なのだが,もう片側は,シリンダーブロックの上での作業になるので,Cリングをクランクケースに落とさないよう気をつけて作業しなければならない.思わず手がプルプルしてしまう.

4,1,3番と順調に取り付けが終了し,あと2番を付けて次はライナーだなー,なんて鼻歌気分だったのだが,そうはうまくいかないものである.
ピストンピンがコンロッドのメタル部に入らない.
さすがにもうエンジン降ろしてコンロッドを外さないとだめかな?と思っていたら,Iさんに「コンパウンドで少し削っちゃいなよ」と.メタルを削るなんてもってのほかなのだが,所詮素人整備.ダメもとで5分ほど作業したら,さっきは全然入らなかったピンが1/4ぐらい入るようになった.作業すること40分.見事ピンが通ってくれた.
そして最後のCリングを取り付け終了.この時点で17:00.今日もこれで勝ち逃げである.次回作業は8/30土曜日.
ピストン装着
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-08-30 組立て3日目

組立て3日目.
ARカップが近いということもあり,今日はツワモノのお客さん達が何人かやってきて,メンテナンスをしていた.

今日の作業はライナーの挿入から.
このライナー,1750まではライナーの厚みが前後で違うので,挿入方向が違うのだ.
2000もひょっとしたら方向があるのでは?と思い,いろんなマニュアルや雑誌をひっくり返したのだが,何にも書かれていない.(2000はライナーの厚さは前後で同じ)
気にしないで組んでしまっても良いのだが,念のためショップに電話して聞いてみた.
ガレージ33とガッタメラータに電話.どちらも「2000はライナーの厚さが同じなので方向はないよ」とのこと.どちらのお店も親切に対応してくれた.感謝.

そんなこんなで午前中の作業は終わり.昼食.

午後,気合いを入れて作業再開.ピストンリングを押さえとロングノーズプライヤーを使い,サクサクとライナーを入れていく.
この時,ピストン,ライナー内面にはたっぷりエンジンオイルを塗り,ライナー外側のOリングにはグリスを塗っておく.

全部のライナーが入ったところでヘッドの装着.ガスケットは,ヘッドの合せ面をブレーキクリナーで十分に脱脂したあとに乗せる.
ガスケットにはシーラントが染み込ませてあり,エンジンが熱くなると染み出すようになっているのだが,何人かのお客さんから,水周りは漏れやすいので水のライン周りには薄くシーラント(液状ガスケット)を塗っておいた方が良いとのアドバイス.

ガスケットを乗せたらヘッドをのせ,8つあるスタッドボルトにナットを取り付け,締め込んでいく.最初に冷間で78Nmで締込む.火入れのあとで増し締め.温間で82Nm,1,000km程度走った後に冷間で87Nmで再度締め込む.

そしてチェーン.新品と旧品の長さを比べると,半コマ程度伸びていた.半コマの差は大きく,かなりキチキチ.付けるのに苦労する.
ヘッド装着
今日の作業は終了.カム,チェーンにオイルをかけておく.あとは明日のエンジンに火入れに備え,バッテリーを実家で充電することにしたのでお持ち帰り.
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-08-31 組立て4日目

これまでの作業は実家のクルマを借りて通っていたのだが,今日は重いバッテリーを持って電車で向かう.
今日中に組み上げ,Alfettaで帰る覚悟.
今日は昨日よりもお客さん(ギャラリー?)が多い.

今日はキャブの装着,補機類への接続から.何も考えずに黙々と繋いでいく.が,このエンジンをばらした時,Wさんと2人でばらしたので,私の見覚えが無いホースやボルト・ナットが出てきた.
Wさんはご自身の164の修理があったので,午前中は分かるところから手を付けていく.

昼食後,164の整備が終わったWさんにも手伝って頂く.が,二人とも見覚えの無いパーツがいくつか出てきた.
「こうやって少しづつ軽量化していくんだよ」という若生さんの言葉に妙に納得しながら見なかったことにして作業を進める.

全ての配線,ホースの接続が終わり,エンジン内部のフラッシング.まずはウォーターラインから.
サーモスタットを外し,ホースを突っ込んで水を流しつづける.結構,汚れや油分が流れていく.
あらかた汚れを流した後,とりあえず水を張る.
次にオイルライン.フラッシング用なので,安いオイルを近所の自動車用品店で調達6L飲み込ませる.
水,油を入れたところでプラグを付けずにクランキングさせる.各部,異常のないことを確認.キャブにガソリンを送るついでに,圧縮も測ってみる.
組みあがり

プラグを付け,いよいよ火入れ.キーを捻り,クランキング開始.5秒,10秒.かからない.周りにお客さんが集まってくる.15秒…「クスン」どうやら燃料も行き届いたようだ.20秒「ブォン!」エンジンがかかる.瞬間,社長さんとお客さん達から拍手.そして「おめでとう」との声.
もう,私の顔はニコニコ笑顔の無敵モード.

スタッドボルトを温間で増し締めするため,このまま20分程度アイドリングさせ,エンジンを温める.
エンジンが暖まったところで,82Nmで増し締め.そして水,油を全部抜き,クーラントと20W-50Wのオイルを入れる.この時,抜いたオイルは,結構汚れていた.

作業終了.ニコニコモードのまま,後片付け.事務所の中では社長さんがお祝い(?)のおつまみを準備している.(他のお客さん達はフライングをしている)

かくして銀色のAlfaRomeoは蘇ったのである.
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-09-01 その後・・・

自分で組上げたエンジンが動いた.嬉しいけれど,やはり自分で組み上げたエンジンは少々不安.
夏休みは今日まで.ということで,夕方には新潟に向けてクルマ出発しなければならない.
センチュリーオートサービスに行って,最後の点検.デスビのキャップの接点が擦り減っているので交換.ついでに約一ヶ月ぶりの洗車.

夕方,いよいよ柏崎へ出発.3,000rpmリミットを守り京葉道路市川ICから首都高へ.組上げたばかりのせいか,エンジンが「ずもももー」という感じで重い.
外環へ入り,関越練馬料金所.関越に入った後も,Alfettaは順調.
ただ,赤城付近でいつもより水温が高めなことに気が付く.とくに上り坂では90℃を越えてしまう.
そらから,出発前からなんとなく気になっていたエンジンのばらつきが顕著になってきた.

まぁ,それでも関越トンネルを越えたあたりから水温は通常に戻り,エンジンも「もももー」という感じで多少軽くなってきた.ただ,ばらつきだけは収まらない.

出発後約5時間.無事に柏崎に到着.まだ気になるところはいくつかあるが,まぁ,帰ってきたのだ.Alfettaが.

今週中に冷却水エア抜き,ヘッドボルト増し締め,点火タイミングの確認をしてみよう.
(2009-11-22 加筆訂正)
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1997-09-05 あとは慣らし

水温上昇,エンジンのばらつきの件を,センチュリーオートサービスに集まる常連さん達に相談したり,自分なりにあれこれ調べてみた.
結果,全域でばらつきがあるのでキャブではなく,点火タイミングだろうという結論.点火タイミングがずれていれば確かに水温は上がるし.
ということで,柏崎でいつもお世話になっている自動車屋に持ち込んで点火タイミングの調整調整をお願いする
タイミングライトで確認するのかと思いきや,さすが大きな自動車屋だけあって,BOSCHの大型テスターを持ってきて確認してくれた. この機械,点火タイミングや電圧,エンジン回転数,進角がディスプレイに表示されるので状態がよく分かる.思わずまじまじ観察.

具体的に数字は聞かなかったのだが,どうやら,かなり点火タイミングが進んでいたようだ.
色々試して,アイドル900rpm,進角7°の表示.
調整してくれている間に,Haynesのマニュアルを調べてみると,6°to8°BTDC at 900 to 1000rpmと,どんぴしゃの値.
ばらつき無し.あとは水温が上がらないことの確認である.
礼を言い,自動車屋をあとにして,少しドライブする.水温平常,万事順調.

あとは慣らし.オーバーホール後500kmは3,000rpm,以後500kmごとに1,000rpmずつ回転数を上げていくこととした.
オーバーホール作業はこれにて終了.

作業が終わったところで今回のブローの原因を考えてみた.
  1. エアコンをつけた状態で高負荷で走っていた.
  2. 点火タイミングがずれていた.
  3. プラグがNGKのB6ESではなくBP6ES(少し長い)がついていた.
一番の原因は,なにはともあれ1.だろう.そして2.と3.が条件を悪くしていたのではないかと.
プラグについては,センチュリーオートサービスで,社長さんをはじめ何人かのお客さんからも指摘された.社長さんは伊藤忠時代にきつく言われていたそうだ.足の長いBPの場合,ピストンにぶつかる可能性もあるし,ぶつからないにしても,よりピストンに近いところで爆発することになるので,ピストンに穴が空く原因になることがあるそうだ.
このBP6ES.旅先でキャブ調整をやってもらった時に交換してもらったものだ.メカの人に BPとBプラグの違い を念を押して確認したのだけどNGKの車種対応表にもBP6ESと書いてあるから仕方がないか.
(2009-09-05 加筆訂正)
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1997-09-19 - 23 最後の仕上げ

会社の寮がある柏崎から実家の市川往復は,慣らしに丁度良い.5速3,000rpmで約100km/hなので,塩梅の良い回転数をずっとキープできるからだ.片道300km以上もあるし.

2009-09-19
オーバーホール後,約700km走行したところで,少々早いがヘッドボルトの増し締めをやった.
冷間87Nm.けっこうナットが回る.

2009-09-21
センチュリーオートサービスにお邪魔し,もう一度圧縮を測ってみることにした.組上げ直後に測ったときは,やや低めの値が出ていたので,気になっていたのだ.
結果は,4気筒とも約12k.値も高めだし,何より4気筒ともほとんど同じ数値なのがうれしい.

あとは,少し派手目にアフターファイヤーが出ていたので,丁度お店で作業をしていたIさんにキャブレターの調整をざっとやって頂いた.キャブは,昨年の夏に旅先のお店でやってもらったっきりだったのだが,かなり濃い目だったらしく,スクリューを通常5回転程度戻すところを10回転以上戻しててあったそうだ.

2009-09-23
柏崎へ帰る.実家の周りでうろちょろしたせいもあり,オーバーホール後1,000km突破.帰りの関越道は,少しずつ様子を見ながら,最終的には5,500rpmまで回した.
油圧,水温ともに異常無し.回転もスムーズ.自分で組んだエンジンとは,ちょっと信じられない.(ピストンとライナーだけだけど)
来週末,オイル交換でもしようと思う.

これで,約2ヶ月に渡ったこのエンジンオーバーホールのページは終了.
Alfettaも私も,普通の生活に戻るのである. (2009-09-05 加筆訂正)
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