2001-06-03 霞ヶ浦一周サイクリング大会
長距離を走る
何を思ったか,霞ヶ浦をほぼ一周,90kmを走るサイクリング大会に出場することになった.
自転車を趣味にしている人にとって90kmはそれほど大きな数字ではないらしいが,私にはとてつもなく遠い距離に思えた.
最近,自転車に乗る機会も増え,30kmぐらいなら全く問題なく走れるようになった.去年のヤビツ峠では60kmを走った.
そして,自転車仲間からも誘いがあった.
気がついたときには申込書と参加費の\5,000を現金書留に入れて,大会事務所に送付していた.
出走
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駐車場に到着し,自転車を組み立てる. |
大会の一週間前に風邪をひいてしまい,ずっと怠い状態が続いていた.
前日も軽い下痢が続き「こりゃ,ダメダ」と思っていた.
しかし,新しい自転車で走りたい,みんなに自慢したい.なんてこともあって,当日の朝の様子をみて出場を決めることにした.
そして大会当日.
体調はイマイチ.とりあえず会場まで行ってみることにした.
大会の集合場所は土浦市の霞ヶ浦運動公園.
受付は6:30からスタートで,私の参加する「フリーラン」は車検を受け次第,自由に出走していいことになっている.時間計測組は,8:30から1分おきにスタート.
彼らの中には3時間を切る人もいるらしい.
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BD Cycling MLの人たちと.
ほとんどがロード・バイクの中,ココだけは雰囲気が違っていた. |
蒲田の家を5:30に出発し,霞ヶ浦には7:00到着.駐車場で自転車を組み立てていると,おのひろきがやってきた.
「体調良くなった?」と聞かれ「うーん,イマイチ」と.
そして受付へ.ゼッケンを受け取り,車検を受ける.
車検は保安部品の有無とブレーキや空気圧のチェック程度だ.
私の自転車はやはり珍しいのか,何人かの係員がやってきて,質問をされる.
車検を終了し,すでに集まりつつあったBD Cycling Clubのメンバーと合流.
しばらく自転車談義をしたあと,私だけ一人早めに出走することにした.
私はどうせ遅れるだろうから,30分早めの7:30スタート.
スタート~第一チェックポイント
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看板に沿って,コースをひた走る. |
7:32分,一人会場をあとにし,黙々とペダルを回す.
周りに誰もいないので,まずは自分のペースを作ってみる.
私はサイクリングの経験はほとんどないので,自分の足,心肺と相談しながら巡航速度を決める.
今日は平均時速は18km/hで5時間以内に完走という目標を立てていた.
しかし,3kmも走ってみると,20km/hで巡航しても大丈夫そうだ.
そうなると途端に欲がでて,4時間30分を切りたくなってきた.
10km地点を過ぎたあたりから,ちらほらと後続の人たちに抜かれ出す.
中でも,ロードレーサーに乗る人たちは,すばらしいスピードで私を抜き去っていく.
そんなこんな,サイクルコンピューター代わりに取り付けたGPSをみると,もうすでに25kmを走りきっていた.平均時速も23km/hをさしている.
そして,残り5kmも順調に走りきり,気分良く第一チェックポイントに入る.
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こんな風景を見ながらのサイクリング.
日差しもまだ柔らかく,風も穏やかで走りやすい. |
第一チェックポイントに到着.
水とスポーツ飲料,そしてバナナが無料で配られる.
聞けば,私でまだ19人目だとのこと. |
第二レグ
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牛に見送られて出発. |
第一レグの調子を維持したい.ということで,第一チェックポイントでは5分程度の休憩で出発した.
出発直後は土手下の平坦な道を走る.なかなか調子がいい.
しかし,しばらくすると,コースは車通りの多い狭い街道へ..
道には轍ができていて,車道の端は非常に走り辛い.
そして,歩道も自転車通行可でそれなりの幅はあるのだが,路面に砂利が浮いているのと,凸凹がかなりひどいので,神経を使う.
さらに,気がつけば風は向かい風になってきていた.
見る見るうちにペースが落ちていく.
しかし,前半で稼いだ貯金がまだまだたっぷりある.
焦らず後半のために体力を温存しておかなければ.
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GPSの表示は,走行距離55.8km,時速14.7km,平均速度19.5km,移動時間2h51m.
そして,姉貴がフランスで買ってきてくれた極彩色のベル. |
気がつけばコースの丁度折り返し地点.GPSは走行距離:45kmを表示していた.
しかし,相変わらず凸凹した道にストレスがたまり,しかも退屈な長い直線が続く.
このあたりにくると,タイム計測組のロードレーサーにガンガン抜かれていく.
正直言って辛い.
そんな道をしばらく走っていると,遠くの方に大きな橋が見えてきた.
コース図を見てみると,どうやらあの橋を渡ると第二チェックポイントのようだ.
橋のたもとに到着.
中央部が高くなっている橋なので,最初は登りが続く.
しかし,中央部を過ぎれば下りだし,その先には第二チェックポイントだ.
そこではゆっくり休憩をとろうと決めて,やる気を奮い起こす.
橋を渡りきったところでGPSを見ると既に平均速度は20km/hを割っている.
もちろん,ここから平均速度を上げることはおそらく無理だ.
目標を当初予定の平均18km/hに戻し,第二チェックポイントへ向かった.
第二チェックポイント
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第二チェックポイントでは,タイム計測組の人たちが我先にチェックを受けていた.
彼らの邪魔にならないよう,空いたところを見計らってチェック. |
第二チェックポイントに到着.
ココについたら休憩を長めにとろうと自分で決めていたので,何となく到着した途端,ホッとした.
しかし,ここでテンションを抜くわけにはいかないので,腰は下ろさないようにした.
自転車を止めてそこら辺を軽く歩く.
歩いてみると,足の方はまだまだ大丈夫そうだ.
ペダルを踏めないのは,どちらかというと,お尻の痛みが原因のようだ.
私の自転車にはスペシャライズドのボディジオメトリ・シートをつけている.
お尻が痛くなりづらいのが売りなのだが,どうもその効果がうまく現れていない.
相性なのか,ポジションなのか,これは大会終了後の課題.
残り30km.
この先は10km毎に休憩をとりながらでもいいなと考え,体が冷える前に出発する.
最後の休憩
そういえば,ここまでBD Cycling Clubのメンバーに追いつかれていない.
きっと彼らは休憩所でおしゃべりしたりして,ゆっくり走っているのだろう.
彼らと一緒に走ったら,もう少し楽だったかもしれないけれど,自分で考えながら走るのみいい経験.
とりあえず,残り30kmを走りきらないと.
第三レグはコースに変化があって楽しい道だ.
走り出してしばらくすると,軽いめまいを覚えた.空腹時のめまいの気がした.
リヤキャリアのバッグに,カロリーメイトが入っている.
ちょうど第二チェックポイントから10km走ったあたりで,小さな橋を見つけた.
路肩に十分なスペースがあったので,自転車を止めて休憩をする.
カロリーメイトを食べ出すと止まらない.一箱たいらげる.やはりお腹が空いていた.
食事をしていると,折り畳みのMTBが走り去っていくのが見えた.
MLメンバーのDAHON ZERO-Gだ.
この方とは去年のヤビツ峠でご一緒させていただいた.
ロードレーサーに紛れて同じ速度で走っていく姿をみて元気づけられる.
口の中のカロリーメイトを水で流し込み,走り出す.
ゴールへ
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戻ってきた.
もうすぐだ. |
残り20km.
ペースは落ちる一方だ.
しかし,ペースは落ちてもペダルを回し続けている限り,いつかはゴールに着くはずだ.
そう思ってペダルを回していると「土浦市」の看板が見えてきた.
ようやく戻ってきた.もうすぐのはずだ.
看板を過ぎて少しペースをあげてみる.
少し体を揺らしてみると,意外と自転車が前に進む.
どうも,前後のサスペンションの動きにあわせるといい塩梅のようだ.
気がつけば速度は20km/hを越えていた.
さすがにこのペースを続けることはできなかったが,この自転車のクセをつかめた気がした.
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FINISH! |
そして,しばらく走ると土浦市街地が見えてきた.
GPSでは,まだ10km以上あると表示されている.ホントにそんなに距離があるのか?
疑問に思いながら走っていると「あと3km」という看板を発見.
そうか.測定方法で多少の誤差があるはずだ.
看板の近くで整理にあたっていた係員の人から声が飛ぶ「あとすこしっ!」
OK,がんばってやろーじゃないの.
前を走るMTBをペースメーカーに,ゴールまで粘る.
国道を左折して湖畔の道へ.右手にサッカー場が見えてきた.
運動公園の敷地だ.
係員の誘導に従い走っていくと,フィニッシュラインが見えてきた.
一息
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みんな無事に完走. |
フィニッシュラインを通過,受付で自分のナンバーを告げ,完走証をもらう.
ふぅ.なんとか完走できた.(笑)
混雑する前にシャワーを浴び着替え,ゴール地点に戻ってみると,MLメンバーも程なくして無事に到着.
話しを聞くと,みんな,それぞれに楽しんだようだ.
私にとっても,90km走れるという自信と,長距離を走るときのペース配分などがわかって収穫の多い大会となった.
走行データ:
7:32出発 12:40到着
移動距離:83km
移動時間:4h46m
移動平均:17.6km/h
総時間 :5h18m
総平均 :15.8km/h
(2015-03-08 加筆訂正)
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